「T探検隊」の木登りイベントに参加して

―木の上の基地づくりー

2004.1.24 彩の国:木登り隊(雛元昌弘、鈴木勇)

1.進化する遊び

 埼玉緑の森博物館の木登りイベントの時に、子どもと遊びにきていたSさんと出会い、「ちびっこ探検隊」の年間プログラムの1つとして、木登りが入ることになり、協力しました。
 その後、A市教育委員会の子育てグループ「Hの会」のイベントで、2〜3歳児のために、50cmの高さのところにロープ渡りとソフトツリーハウスを楽しめる場所を作ったところ、これが好評であったため、今回、木の上に基地をつくろう、ということをSさんに相談しました。

2.横移動の方が楽しい(サルは横移動)

 これまで、木に登って遠くを見ると楽しいよ、といっていたのですが、かつてのサル族としては、どうやら、安全で食料がある木の上で、枝から枝へと横移動し、木の上でのんびりする方が楽しいのではないか、と考えるようになりました。
 これまで、木登りを中心にしていましたが、ロープ渡りを中心に「木の上の基地づくり」にコンセプトを変えるべきではないか、というイメージがモクモクとわいてきました。
 Sさんに話したところ、お父さん達や埼玉大学の学生ボランティアの協力がえられる、ということなので、今回は、縦移動の木登りから、木の上での横移動のロープ渡りを主とした基地づくり、に挑戦してみることにしました。

3.木の上の基地づくり

 前日は宮城県への出張でしたが、なんとかセキチューが閉まる前に滑り込み、荷造り用の12mmロープを2本追加購入して、ロープ渡りに備えました。ロッククライミング用のロープではなく、伸びの少ないロープの方が適しています。
 木登り隊のSをリーダーにして、お父さん達2人、試験前の埼玉大学生2人で、約15本の木を結び、1.5mほどの高さ(飛び降りて安全な高さ)に1本、さらにそこに立って子どもの手の届く1mほどの高さにもう1本のロープをわたします。今回、ターザンロープのスタート台用に、洗車用の台型のアルミ製の脚立を追加して買っておいたのが作業に役立ちました。 その中心には、四角錘型のソフトツリーハウスを置き、休めるようにしました。あと、出発時に、たまたま地下室で木の本棚の板を見つけ、見張り台用に持って行ったのが役に立ち、ソフトツリーハウスへの入口のテラスにし、容易にソフトツリーハウスに出入りするのに役にたちました。
 最後に、ロープ梯子を2か所にかけて完成です。
 この基地は好評で、子ども達は木に登り、ロープ渡りを行い、最後にソフトツリーハウスに入って窓から顔を出して、アピールしています。
 イベントの後半には、親達も一緒に登って楽しんでいました。

 この基地作りは今回の大きな収穫でした。ロープ(12mmと9mm)を何本か持参し、簡単な「巻き結び」ができればどこでも誰でも、子どもと親が力をあわせて樹上基地づくりを楽しめます。
 キャンプなどで、ターザンロープとこのロープ渡りがあるだけで、結構、楽しめると思います。







4.森の基地づくり


 今回、もう1つの大きな収穫は、Sさんが事前の調査で、木(ネズミモチ?)が密集して生えているところを見つけ、子ども達がその中と周辺に基地を作ったことです。
 シーツでリクライニング・シートを作ったり、テントやブランコなどもつくり、ポストを作った子どももいます。木の枝を集めてくる子どもなど、思い思いに楽しんでいました。

5.斜行ロープウエー

 以前、買っていた滑車が見つからず、ソフトツリーハウスを吊りあげるためのロッククライミング用の簡単な滑車を使ってロープウエーをつくりました。
 人力ではどうしてもピンと張れないので、パワーウインチを使ってピンと張りました。
 ところが、この簡単な滑車が失敗で、ボールベアリングが入っていなようで抵抗が大きく、大人が押さないと途中で停まって進みません。次回に再挑戦です

6.ターザンロープ

 いつも人気の遊びです。半分が崖になっている所が楽しいのですが、平地のため、台形の脚立を足場にしてスタートします。
 ロープが長いほうが振幅が大きくて面白いのですが、高い位置に横に張りだし、登ってタオルを巻いてロープをかけられる手ごろな枝はなかなかありません。

7.子ども用ソフトツリーハウス3

 円錐型1とゴンドラ型2の3つのソフトツリーハウスは、子どもにとっては、瞬時にブランコ、回転台と化す楽しい道具です。
 かわるがわる、何度も子ども達は遊んでいます。

8.木登り

 5mほどの低学年の子ども用と、10mほどの高学年用の木登りを楽しみました。
確保用のトップロープをセットし、枝のないところには、ロープ梯子を取り付けます。枝の多い、登りやすい木が少なく、探すのに苦労します。今回は、木々の葉がすっかり落ちており、遠くが見れて快適です。
 いつもの事ですが、子どもの後に、大人も木登りを楽しんでいます。
 最後に、確保ロープを片付けたあと、子ども達は確保ロープなしで伸び伸びと遊んでいました。本当は、5m位なら確保ロープは必要ないと思いますが(私達の子どもの頃、木から落ちた、ということを、見たことも聞いたこともありません)、今の子どもの経験の乏しさや体力のなさから事故のことを考えると、どうしても必要以上に慎重になってしまいます。
 今後の課題としては、10mほどの高さの到達点にベースをセットし、木登りのあとにのんびりできるようにしたいと思います。


9.落ち葉のベッド

 落ち葉が多かったので、囲いをつくって落ち葉を集め、落ち葉のベッドをつくりました。親子でベッドを楽しんでいます。
 今回は、林の中にバラバラと分散的につくりましたが、次回は森の基地や樹上基地のところにつくるなど、基地づくりの一環としたいと思います。

10.今後の企画

@ 実は、1×2mのアスレチックネットを2つ用意していたのですが、メーカーが1日間違えてくれて、間に合いませんでした。次回に、木の上の基地やネット登りなどに使いたいと考えています。

A 今回、斜行ロープウエーを行いましたが、できるだけ子どもが自分で努力して遊べるよう、以前、徳島県の上那賀町で見たことのある野猿(人力ロープウエー)を試して見たいと思います。

B 今回は、樹上基地と他の遊びの木は分かれていましたが、次回は樹上基地を中心に、野猿(人力ロープウエー)やロープウエー、ターザンロープ木登り、ゴンドラ型ソフトツリーハウスなど、全部の遊びを木の上で行うことをテストしてみたいと思います。

C 2グループに分かれて、子どもや親と一緒に、林の中と木の上と、2つの基地づくりを体験することを、次の機会にはさらに本格的な試して見たいと思います。
子どや親をお客さんにするのではなく、遊ぶ楽しさと基地づくりの楽しさを共有する、ということが重要と思いました。
基地のイメージづくりや企画力が得意な子、いろんなアイデアを出す子、ネーミングが得意な子、高いところでの作業が得意な子、工作が得意な子など、子どもが様々な能力を発見し、発揮し、自信を持つことができる機会を増やしたいと思います。

D また、「これからみんな人類の祖先に帰って猿になりま〜す。木の上には花や果実があり、地上には猛獣がいますが安全です。・・・」と言って、地球儀を見せてアフリカの位置を説明するなど、「ごっこ遊び」や「ゲーム学習」の要素を取り入れることも考えられます。

E 今回、100円ショップで買った小さな鋸を持っていたので、2人の子どもに枯れ木を切らせると、喜んでいました。ナイフも持っていましたが、これは心配で渡せませんでした。
次回は安い100円道具の道具箱を持っていき、枯れ木を拾ってきて工作をする、というようなこともやらせてみたいですね。
ただ、手を切る子どもが必ず出てきますから、親子の責任で、ということにして・・・

F 今回、ドングリクッキーと味噌おでん、ジャスミンティーがおやつで振舞われましたが、可能であれば、一緒に火を起こして焼き芋をつくったり、パンを焼いたりしたいものですね(トタン板を敷くなど、土地を汚さない工夫が必要ですが)。私たちがよく木に登ったのは、柿やイチジク、梅やナツメなどの果実をとるためであり、食べ物と遊びを、もっと結びつけたいものです。おいしいは面白い、のです。
今のままの公園では無理ですが、ねばり強く交渉して、可能性を広げたいものです。

G 「ここで、このまま泊まって遊びたい」というのが、子ども達の声でした。今の河川敷公園では無理ですが、構造改革特区の申請などにより、管理者(国)と利用者団体の契約利用などの方式により、「木登り公園」「キャンプ公園」「バーベキュー公園」「焚き火公園」などの実現に向けて、働きかけたいですね。

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