ロープ渡りは一番本能に訴える(木登りとの組合せ)
051124 彩の国・木登り隊 雛元 昌弘
1.ロープ渡りは大人気
 予想外であった。ロープ渡りは子どもたちに人気が高い。
 T市の教育委員会の子育てグループの木登りイベントに協力した時に、2、3歳の子ども用になにかできないかと思い、50pくらいの低い位置にロープを上下2本、セットしてみたのだが、みんなどんどん挑戦して楽しんでいる。
 そこで、浦和市(今はさいたま市)の秋が瀬公園での「T探検隊」のイベントでは、1.5mの位置にロープ渡りとソフトツリーハウスで樹上基地をつくってみた。これは、小中学生に好評であった。
 さらに、I市の公民館のイベントとA市の協同村で行った時には、これに野猿(川を渡るのに、張り渡したロープに箱をつけ、そこに人が乗って対岸に移動する;徳島県の上那賀町で見かけたことがある)をまねてゴンドラ野猿を取り付けたり、ネットを取り付けたりして、基地を広げていった。

 最初は、木登り遊びをメインに考えていたが、最近は、考えを変えなければならないと思っている。
 なぜ子どもたちは木登りが好きなのか、ターザンロープが好きなのか、なぜ、フィールドアスレチックが好きなのか、どうやら、同じ理由によるらしいのである





2.猿の樹上の暮らし
 原始ほ乳類(ねずみのようなもので、地面に穴を掘って暮らしていた)が木に登るようになったきっかけは、ライアル・ワトソンの本を読んだかすかな記憶では、花の蜜と果物に惹かれてのことであったように思う。
 この猿の祖先達は、木に登って枝先の花の密や果物を食べ、さらに枝から枝、木から木へ移動して、花と果物を求めたに違いない。
 猿にとっては、木に登ったあと、安全で食物豊かな樹上で生活するようになると、樹上の枝渡りが生活の主な活動になった。いちいち、地面に降りて登っての生活ではなくなったのである。
そうすると、子どもたちがロープ渡りやフィールドアスレチックが好きで、どこまでも伝っていくのが大好きな理由は、この猿の枝渡りの遺伝子によるものであるに違いない。
 人間が神によって造られた、という宗教家、原理主義者でないかぎり、おそらく、このことは理解されるはずである。


I市のイベントで、茨城県自然史博物館の学芸員の方が作成されたパネル


小さい子も果敢に挑戦。
これも祖先の遺伝子のしわざ?

3.枝渡りの遊びがあった
 以前、知人のコンサルタントと飲んだ時に、木登り話になったことがある。彼は、子どものころ、木に登って、体重で木を傾けて、次の木に次々と乗り移っていって遊んだという。
 このような方法が、林業の枝打ち作業で行われていることは知っていたが、子どもの木登り遊びとしてそのような遊び方があることを知ったのは前にも後ろにも始めてであった。
 私の木登りの記憶をたどってみると、なんと言っても柿とりが一番多く、次は、熟れた梅やサクランボ、ナツメ、イヌマキなどの木の実取り、さらにカブトムシやセミ取りなどであった。また、かくれんぼや陣地遊びで木に登って隠れたり、枝にかかった模型飛行機を落とすために木に登って枝を揺すったこともあった。時にはただ木に登って遊ぶ、ということもあったが、ほとんどの木登りはもっと実利的なものであった。
 一方、この知人のコンサル(こん猿?)の木登り遊びは、おとな達の枝打ちを見て育ち、それを子どもたちが真似て遊びに取り入れたのに違いない。
 その他に、木登りの面白い記憶があれば、是非、教えて欲しいものである。

4.ロープ渡りや樹上の基地づくりの方法
 荷造り用のロープがあれば、ロープ渡りや樹上の基地づくりは、たった1つのロープ結び「巻き結び」をマスターすれば、誰にでも簡単にできる。
(1) ロープ
 私たちは、12o径の荷造り用ロープ(伸びないのと摩擦があってよく締まるので最適である。)を下に使い、上のロープは9o径か12o径のロープを使っている。ロッククライミング用のロープは、墜落時にショックを和らげるために、伸びるようになっているのでダメである。
 ロープは、DIY店(ホームセンター)などで購入する。20m×12oロープ(ユタカメイクのK.P(P.E・ビニロン)混燃ロープ:耐荷重1,000kgf)で2,000円くらいである。
(2) 巻き結び
@ 図を参考にして頂きたいが、ロープで木を2周りして結ぶ、簡単な方法である。この結び方は、船を岸壁に繋ぐ時に使う方法である。
A 最初の木に結ぶ時は、2周りした端を長めに取っておき、ロープに結んでおく。
B 2本目以降の木には、弛まないように強く結ぶ。ここは、男性の出番である。
C これを繰り返して、足をかける下のロープが張り終わったら、下のロープに乗って、上のロープ(子どもの年齢にあわせた高さとする)を張る。

(3) 木とコースの選び方
@ 木は5m間隔くらいの木が並んでいるところを選び、1周コースをとったり、 対角線で結んだり、複雑にした方が面白い。

A 私たちの場合にはソフトツリーハウスをこのコースのメインの所に設置し、中に入って遊べるようにしている。
B 木の「スノコ」か「ベニヤ板(コンパネ)」を設置して見張り台にしたり、ネットなどを張ってハンモックをこしらえたり、身近な材料を使い、バリエーションを工夫するのも楽しい。
C 私たちの場合には、その中の木に木登りできるようにしたり、「野猿(川をロープに吊った箱に乗って、自分で別のロープをたどり寄せて渡れるようにしたもの)」をセットして遊べるようにしたり、遊びのバリエーションを増やしている。
5.フィールドアスレチックとは違った楽しみを創る
 こうやって書いてくると、「フィールドアスレチックに行けば、もっといろいろあって楽しいじゃん」という声が聞こえてきそうである。
 フィールドアスレチックは好きなので、その意見は尊重したいが、フィールドアスレチックでは、ロープの使い方は覚えられない。親や子どもたちと一緒になって自分たちで遊びを創る、という楽しさは、また別の楽しさがあるのである。
 公園や林の中から適当な木を選び出し、みんなで基地の設計を行い、手分けして設置する、というのは、楽しいものである。 「T探検隊」の子どもたちは、お母さんとブッシュの中に基地を創っている。昔の「基地ごっこ」の楽しさが思い出される。
 水辺のピクニックやキャンプなどに、荷造り用のロープを1本持っていくだけで、ターザン遊びができるし、さらに、もう1本持っていくと、トップロープで安全を確保して、木登り遊びができる(1本のベルトで、確保用のハーネスをつくる必要がある)。
 さらに2本のロープ(下12o、上9o)があれば、ロープ渡りができる。もう何本かがあれば、樹上基地ができる。
 そのような遊びを創りだす楽しさを覚える機会を創って欲しいものである(声をかけていただければ、年に何回かはお手伝いします)。

 



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