3.木登り遊びの復活の条件
いざ木登りをしたい、と思っても、場所、技術、指導体制など、だれもが安全にできる体制にするためには、次のような条件整備が必要です。

@ 公園などの木登りの木を使えるようにすることが求められる。
・「オープンリソース」の活用システム(所有―管理―利用のシステムづくり)の構築が必要である。今のところ、事故の場合、管理者が訴えられることになるので、禁止措置がとられることが多い。
・硬直した自然保護の観点からの反対もあるので、調整が求められる。
A 自己責任で安全に遊ぶ考え方、技術を広める必要がある。
・子どもの時から、フェイルセーフの考え方、命綱や保護網(セイフティライン、セーフティネット)の技術を身につける。
・親は、自己責任で安全に遊ぶ考え方とサポート技術を確立する。
B 子どもが安全に遊べる組織体制をつくることが求められる。
・「遊びのコミュニティ・スクール」が必要である。

1.木登りには、次のような効果があります。

@ 本能を満足させる。
―「木に登りたい」という本能を満足させ、ストレスを発散させる。
A 子どもが自然に多様な形でふれ、いろいろな体験を行う。
―ジャングルジムやフィールドアスレチックにはない体験を行い、感性や能力を養う。
B 子どもの野外遊びの機会を増やす。
―野外遊び、公園遊びの多様なおもしろさを体験し、遊びの機会を増やし、体力やバランス力を養う。
C 自立期(10代)の子どもたちが、一人で挑戦できる機会を増やす。
―「大人は命綱(セーフティライン)を握り、子どもが挑戦できる機会を増やす。大人は、確保するが、子どもが助けを求めるまで指示はしないようにする。

私の木登りの考え方

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2003.4.23、5.19加筆 雛元昌弘(埼玉木登り隊) 














2.木登りの4つのタイプ
  木登りには、次の4つのタイプがあります。私たちは、@の木登りを、Cの形で復活したいと考えています

タイプ 目的 方法 対象 備考
@
昔の遊び
@遊びA遊びの手段(かくれんぼうなど)B観察(鳥の巣など)C採取(柿、桑の実など)D捕獲(カブト虫、セミなど) 素手(道具なし) 自力で上れる木(細くて枝が多い木) @昔の子どもの多様な木登り遊びは消失した。―野外遊び自体がなくなるとともに、木登りできる環境もなくなった。A遊びとしての木登りは、ジャングルジムやフィールドアスレチックに置き換えられて復活している。
A仕事 枝打ちなどの施業 ぶり縄 杉や檜(枝打ち等) 技術としては消えていきつつある。
B
スポーツ
@遊びA征服(挑戦) ロッククライミング(アルパイン)の道具(ユマールなど)を使用―技術的にはロープ登り 問わない(身近な里山)
C
安全な遊び(私たちの提案)
@遊び(アウトドア活動の豊富化)A体験(自立、非日常性、林業)B観察(自然) @ABの融合・できるだけ、道具を使わないで登る。・枝のないところは、木に縄梯子(ロープラダー)を使用する。・トップロープとハーネスベルトで安全を確保する(フリークライミングの方法)。・ソフト・ツリーハウスやターザンロープ、ロープ渡りなどと組みあわせて遊ぶ。 安全確保と最低限の補助があれば自分で登れる枝の多い木―公園など 公園や林業体験のイベント、遊びのNPOや消費者団体のプログラムで広がりつつある。








































4.遊びのコミュニティ・スクール(NPOなど)を創れないか

 21世紀は高齢者時代と考えられていますが、私は、楽しい子どもの時代にしたい、と考えています。そのために、大人たちは、知恵を出し合い、例えば、いつでも木登りができる公園や、そこに安全に自転車で行ける環境などの整備を図りたいものです。

@ 子どもが屋外で遊ばなくなっている。
・1週間に友だちと遊んだことがないか、1日しか遊んでいない子どもは5割。
・友人の家か自宅での屋内遊び(テレビ・ゲーム・マンガ、おしゃべり)が中心。
・小学校4年生の子どもの生活習慣予備軍は3〜4割である(ゲームおやつ族化)
・著しい体力低下と生活習慣病が心配である(数十年間にわたる未来の健康を損ねている)。
A 多くの子どもは、自分たちだけで、屋外で友だちと遊ぶことを望んでいる。
・もっと遊びたい、冒険遊びをしたい、という子どもは多い。
・一方、今の子どもたちは「今やっていること」と、「やりたい」ことの間に差がない。(後期高齢者と同じである)
B 今の親たちは、子ども同士で行う多様な遊び方を知らない。親子での体験と子育てコミュニティの復活が必要である。
・50歳以下の大人たちは、豊富な自然遊びや仕事の手伝い、手作業などの体験が乏しい。(プールでの泳ぎしか知らないように、温室的な豊かさの中での経験の貧しさ、偏りがみられる)
・今の親たちには、地域社会の子育て支援が乏しい(かつては、上級生、地域の青年達が一緒に遊ばせていた)。
C インストラクターとして、若者の多様な職場を創りたい。
・「複業の時代」に対応した働き方を、若い人は身につけてほしい。
・50歳代以上のリタイア世代、リタイア準備世代などのボランティアの手助けが必要である。
D 遊びのコミュニティづくりとサマーキャンプ
・身近な子育てコミュニティを支援するシステムづくりが求められる。
・子どもの自立に向けたアメリカ型のサマーキャンプが必要である(子ども同士で旅し、働く、共同生活する、ロード・オブ・ザ・リング、千と千尋、ハリー・ポッターの世界を体験できる機会を身近につくる)。








5.子どもたちのアウトドア活動への私の5つの夢

 私は、次の5つの夢を持っています。できれば、子どもたちだけで、安全に体験できるようにできないか、可能性を追求したいと考えています。

@ 自転車で30qの遠出の旅をする。できたらキャンプする(自分で食事をする)。
―三輪祐子作、風川恭子絵『自転車でいこう!−ビッグバードをめざして』『サイクリングキャンプにいこう!』の世界
A 子どもだけでキャンプに出かける。
B 木登りを行い、ツリーハウスづくりやツリーキャンプ(ツリーハウスで寝る)を体験する。
―アニメ『トム・ソーヤの冒険』の世界
C 小型ヨットとカヌーで旅をする(無人島キャンプなど)。
―那須正幹作、前川かずお絵『あやうしズッコケ探検隊』やアーサー・ランサムの『ツバメ号とアマゾン号』の世界
D 馬(ポニー)で数時間の旅(トレッキング)をする。できたらキャンプする。